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ご挨拶

人工知能(AI) /ICTを活用して
未来の医療を創る“医療人2030”
育成プロジェクトへのご協力のお願い

小林泰之

“医療人2030”育成プロジェクト 総括責任者
聖マリアンナ医科大学 デジタルヘルス共創センター 副センター長/
大学院医療情報処理技術応用研究分野 教授

現在、世界はCOVID-19デルタ型の脅威にさらされており、さらに新型株の登場も報告されるなど、まさにパンデミック時代に突入しようとしています。医療現場ではCOVID-19に対応するための様々な課題が山積しており、その解決が急務となっています。

医療を取り巻く状況が急激に変わりつつある中、患者・人間中心の次世代医療を創り支えていくには、AI/ICTなどの最新テクノロジーを活用すること、常識に捉われずにイノベーションを起こすこと、様々な産業とのコ・クリエーション(共創)を起こすこと、そしてデジタルネイティブ世代の若い人材に参画してもらうことが極めて重要だと考えます。

しかし、そうした未来の医療を創るための人材は極めて不足しており、新時代の医療人材の育成が急務である、という認識の下、本学では未来の医療を創る“医療人2030”育成プロジェクトを立ち上げることになりました。

本プロジェクトの対象は、医療現場で奮闘されている全ての医療従事者、及び、新しい医療サービスの共創を目指する企業の方々です。本プロジェクトで育成される“医療人2030”が、これからの日本の医療や社会を変える原動力となると確信しています。

プログラムを充実させ、我々の未来の医療を支える多くの優秀な人材(”医療人2030”)を育成・輩出するためには、各方面からのご協力とご支援が必要不可欠です。本プロジェクトの趣旨をご理解頂き、ご協力、ご支援を賜りたく何卒よろしくお願い申し上げます。

★本プロジェクトに参加することで得られる学び★

10-20年後のAI/ICTの成功は約束されています。最新テクノロジーを活用した患者・人間中心の次世代医療を実現するための、
そして個人及び企業がこれからの変革の時代に生き抜くための『武器』を配りたいというのが本プロジェクトの趣旨です。

具体的には、以下のような学びがあると考えています。

1

医療AI全体に関わる基礎知識

2

AI/ICTを活用した患者・人間中心の未来の医療とはどのようなものなのか?

3

既に最新テクノロジーが医療においてどのように活用されているのか?

4

将来、医療・ヘルスケア領域でAI/ICT等の最新テクノロジーを活用するために必要な知識

5

新しいアイデアを創出してイノベーションを起こし医療・社会を変える方法とは?

6

「個人の思いが、これからの医療・社会を変革させていくスタートである」ことを理解する

7

夢を実現するためのプレゼンテーション手法やコミュニティの活かし方

8

共創の重要性とそのための手法を理解する

9

将来、成功するために必須な基礎知識やモチベーションを維持する方法

“医療人2030”育成プロジェクトの意義

私の行動の源泉は「危機感」

私が研究室の仲間達とともに医療AIセミナー(2020年9月~2021年3月、全13回)を無料配信するという暴挙ともいえる挑戦を始めた源泉は強烈な「危機感」でした。このままでは近い将来確実に医療制度が崩壊してしまうという「危機感」、日本はAI/ICT後進国であるという「危機感」、日本人はOECD国の中で最もパソコンを学校・宿題で使用していない国民であること、このままでは日本にAI/ICTを活用した次世代医療が来ないという「危機感」です。そして今、世界はCOVID-19デルタ型の脅威にさらされており、パンデミック時代に突入しようとしています。Nature誌は3月18 日に「なぜ、COVID-19の集団免疫が不可能なのか」と題した記事を掲載しました。現状のワクチン接種のペースではコロナの遺伝子変異のスピードに追いつかないこと、各国でワクチン接種のスピードが大きく異なること、ワクチンでウイルスの伝播をどれだけ阻止できるか不明であること、免疫力の持続時間が不明であること、ワクチン接種により人間の行動がコロナ前に戻ってしまうことなどから、「COVID-19 を打ち負かすまでの理論的閾値まで到達するのは難しい」との見解を示しました。現実的に、ついにオミクロン型が出現してきました。

ご存じのように医療現場ではCOVID-19による様々な課題が山積しています。現在直面している危機を打破し、今後起こり得る様々な状況の変化を乗り越えて次世代医療を創造するためには、AI/ICTを最大限活用することが必須であり、かつAI/ICTリテラシーの高い新たな医療人材の育成が急務であると確信するに至りました。

未来の人間中心の医療を担う“医療人2030”は

AI時代やパンデミック時代など社会や医療を取り巻く環境の劇的な変化に対応して次世代医療を実現させるためには、①従来の常識からの脱却、②医療以外の分野との異種融合、③デジタルネイティブ世代の積極的登用が重要です。

ソニーコンピュータサイエンス研究所所長の北野宏明氏は、「一人の研究者が複数の分野をよくわかっているときに新しいものが生まれる確率が高い。それは、自分の中で複数の分野を越境しているからです。」と述べています。Yahooの安宅和人氏は「これからの未来を創るカギになるのは、普通の人とは異なる”異人”である」とし、異人とは「ある領域でヤバイ人。夢を描き複数の領域をつないで形にする人。どんな領域でも自分が頼れる凄い人を知っている人」と定義しています。すなわち、新しい時代を切り開きイノベーションを創出するには、より多くの異なった複数のタグを身につけることが求められているのです。

また、Ziad Obermeyer先生は自身の論文の結論で、「医療の世界でも他の領域と同様に、AIの取り組みにより勝者と敗者が出現する。しかし、最大の勝者が患者さんであることは間違いない」と述べています(N Engl J Med. 2016 Sep 29;375(13):1216-9.)。素晴らしい指摘であり、医療の変革に関わるすべての人間が心に留めて進まなければならない言葉です。

今、私達は病気(illness)を対象としてきたこれまでの医療から、ウェルネス(wellness)、すなわち「身体の健康、精神の健康、環境の健康、社会的健康を基盤にして、豊かな人生をデザインしていく医療」、そして最終的には個人レベルの幸福(happiness)を目指す医療へ、大きなパラダイムシフトに挑戦すべきタイミングに立っています。そして、このような医療変革を具現化していくには、医療現場に関わる医療従事者の参加はもちろん企業の方々と共創していくことが重要です。

医療に関わる既存の課題解決と未来の創出には、「医療・ヘルスケア×テクノロジー×”ヒューマン”」という考え方をベースに、AI/ICTなどの最新テクノロジーを活用して、様々な産業とのコ・クリエーション(共創)を起こし、常識に捉われないイノベーションを起こすことが不可欠で、そのためにはデジタルネイティブ世代の若い人材に参画してもらい、最終的に患者・人間中心の次世代医療を創り上げていくことが必要です。

“医療人2030”とはいかなる人材でしょうか?私は、医療従事者のみならず、我々と共創してともに歩んで頂ける企業の方々も含めて、医療、すなわち命に携わるという強いプロフェッショナリズムを持ち合わせた、次のような人材であると考えています。

  1. AIなど最新テクノロジーを含む複数の専門性を持つ
  2. 予測不可能な未来は自ら創るものであると考えられる
  3. AIなど最新テクノロジーを含む複数の専門性を持つ
  4. 分野を超えた共創を積極的に推進できる
  5. AIなど最新テクノロジーを含む複数の専門性を持つ

人材育成プログラムがない?であれば創ろう!

AIの教育プログラムとしてはMassive Open Online Courses (MOOCs)が活用可能で、ここでは超一流の講師陣による教育プログラムが聴講のみであれば無料で配信されています。しかし、無料~低価格で開催される誰でも容易に参加可能な優れた医療系人材育成プログラムは私の知る限り存在していません。

「AI/ICTを活用した、人間を中心に据えた未来の医療を創る人材が全く足りない。パンデミック時代を乗り越えるためにも新たな時代の医療人材が急務である。にもかかわらず、その人材育成プログラムがない。そうであれば我々自身で創ろう」と決心致しました。

昨年度、第一段階のプログラムとして前述の「医療AIセミナー(総論・各論編)」を開催したところ、のべ2500人を超える方々にご参加頂きました。予想以上に大きな反響を受け、本プロジェクトの社会的意義の大きさを改めて実感し、“医療人2030”育成プロジェクトを本格的に企画、運営することを決意した次第です。

“医療人2030”が日本の医療を救う

今回、我々が提供する本プログラムはこれまでに前例のない大きな挑戦です。

その社会的意義の高さから聖マリアンナ医科大学として本プロジェクトを進めることに致しました。また、本プロジェクトの目的に御賛同頂き、各領域のトップランナーである著名な先生方に多数ご参集頂くことができました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

本プロジェクトの対象者は、パンデミック時代に対応するための患者中心の次世代医療の実現を目指すあらゆる医療従事者、そして我々医療従事者と共創して頂ける企業の方々です。分野の異なる領域の魅力的な講師陣が最新技術を活用して未来の医療・ヘルスケアを創る人材を育成するという目的で一堂に会するプログラムは過去に例がありません。また、所属や職種、年齢を越え、参加者同士のコミュニケーションを通じて切磋琢磨する仲間を得られるプログラムは唯一無二の価値があると自負しております。医療やビジネス分野での経験豊富な方はもちろん、デジタルネイティブ世代の若い人材にもぜひ参画してもらいたいと考えます。

来るパンデミック時代に備え、AI/ICTを活用してイノベーションを起こして日本の医療崩壊を防ぎ、かつ患者・人間中心の医療を実現しなければなりません。本プロジェクトにより、グローバルレベルで医療を創る側(サイド)に立ち、未来の医療創出のために活躍できる人材である”医療人2030“が多数育成されると確信しております。

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